ダイワ初のベイトリール 電子制御ブレーキシステム INTELLIGENT MAGFORCE を搭載した
IMZ LIMIT BEAKER
お値段がリミットブレイク とか お財布ブレイカー などとも言われているようですが、性能は申し分ないみたいだし、新機構ということで興味津々であります。
まぁ、まだ買わないんですけどね(笑)
さて、INTELLIGENT MAGFORCE こと IM ですが、シマノのDC(DIGITAL CONTROL)と同じ、ベイトリールのキャスト時に電子制御でスプールへブレーキを掛けるシステムですが、DCと異なるのは本体にリチウムイオン充電式バッテリーを搭載していて使用する前に充電が必要なこと。
これによるメリットは、安定的な電力を得られるため、高速なCPUを搭載したり、制御の幅を広げることができ、機械的なポテンシャルではDCを圧倒できる可能性があることです。
と、同時に聞かれるのが、充電するのが面倒という批判的な意見。
確かにDCは自ら発電することで外部からの充電を不要とする画期的な仕組みではありますが、逆を言うと「発電しなければならない」という宿命を背負っています。
発電するためのエネルギー源はスプールの回転力ですので、発電するためにブレーキ力が発生すること指します。
そのため、DCはキャスト中に電力を確保するため一定以上のブレーキ量を掛ける必要があるはずです。(※正確には、巻き取り時にも発電は可能ですが、巻きが重くなるので恐らくやっていないと思います。)
その点、IM は発電する必要がないので DC 以下のブレーキ量に抑えることができますし、条件が許せばブレーキを一切掛けない制御も理論的には可能です。
また、DCは使用できる電力量にも厳しい制限が付きまといます。
発電した電力は恐らくキャパシタ(コンデンサ)で保持していると思われますが、ボディに内蔵できるキャパシタ容量には限界がありますし、そもそも毎回フルキャスト前提なら良いですが、短距離キャストを繰り返す場合には電力事情が厳しいものになると予想されます。
その厳しい電力量の中で、制御を行うCPUや、スプール回転数を検出するフォトインタラプタ(もしくはリフレクタ?)、その他制御回路を駆動させなければならないのですから、搭載できる部品のスペックの限界が低く、設計には苦労があったと思います。
まぁ、それでいて性能を出しているわけですから、それはそれで驚異的なんですけどね(笑)
IMは、外部給電できる充電式バッテリーを搭載することで、この制限が大幅に緩和されます。
具体的なスペックはわかりませんが、Bluetoothに対応できるクラスのスペックですので、DCより遙かに高速なCPUを搭載しているはずです。
これによって、処理の分解能を上げたり、単純なマップに頼らないブレーキ制御なんかも実現できる可能性があります。
正直なところ以前からDCには興味はあり、(シマノ製品ではあるものの 笑) 購入しようかと考えていたこともあるのですが、最大のネックと考えていたのが発電していることでした。
それによるデメリットは上記の通りですし、使い方によっては電欠を起こす可能性も考えられます。
なので、充電式になったら買ってみようかな?と思っていたところに、ダイワが先に出してきたと。
これは興味しか湧きません(笑)
さて、これら機械的なポテンシャルではDCを圧倒しうるIMですが、問題はこれらを制御するソフトウェアです。
ソフトウェアがダメなら、せっかくのポテンシャルも無用の長物ですからね(笑)
YouTubeの動画で、シマノの某釣具屋店長は「DCとIMは天地の差」、「ダイワが追いつくには10年かかる」なんて言っていましたが、20年くらいDCを販売しているシマノには、それだけのノウハウがありますので、ソフトウェアの完成度は高いはずです。
そこに新規参入したわけですから、(10年掛かるかは別として)追いつくのはなかなか難しいだろうなとは思っていました。
しかし、発売されてからのレビュー動画をいくつか見てみると IMはDCに負けてないどころか上回る勢いの性能を発揮!
この完成度には、なかなかびっくりしました。
某釣具屋店長は、この結果に「DCとIMは比べるようなものではない」と、よくわからないことを言い出したようです(笑)
ちなみに上の動画で某店長がマグネットブレーキについて語っていますが、マグネットブレーキのブレーキ力は一定ではありません。
たぶん磁石と鉄がくっつくようなイメージでブレーキが掛かるのだと勘違いしているのでしょうが、原理が全然違います。
そもそもスプール素材のアルミやジュラルミン(アルミ合金)は、磁石とはくっつきませんから。
マグネットブレーキは、磁石による磁界を導体(=スプール、ダイワだとインダクトローター)が通過することによって起こる電磁誘導を利用したブレーキです。
電磁誘導によって発生した電流が導体上で渦電流を形成し、それによって発生した新たな磁界が、磁石と反発(もしくは引き合う)ことでブレーキ力が発生する仕組みです。
電気が通るかが重要なので、スプール素材が磁石のくっつかないアルミでもブレーキ力が発生します。
また、電気が通りやすい素材ほどブレーキ力が強まります。(例えば、アルミより銅の方が電気が通りやすい)
で、ここまで書いておいて何ですが、私の稚拙な文書では何を言っているのか伝わっていないと思いますので、詳しくは専門家の解説をご覧ください。YouTubeにいろいろありました(^^;
なお、ブレーキ力は回転数に比例すると考えて良いようです。
なので、回転していなければブレーキ力は掛かりません。
ダイワのマグフォースZやSVスプールは、これにインダクトローターを出し入れする可変機構を加えることで複雑な制御を機械的に行っています。
これも変態的な機構ですね(笑)
ちなみに電磁誘導を利用するという点ではDCと同じですので、IMとDCは親戚みたいなものですね。
機械の構造は全く違いますが。
また、上の動画でDCは遠心ブレーキの凄いやつと語っていますが、DCと遠心ブレーキは構造も原理も全く違います。
これはお客さんに伝わりやすいように表現しているだけかもしれないですけど。。。
いや、勘違いしていること自体は別に良いんですよね。私もよくやらかしますし。
でも、この人の場合「この人が言うなら正しい」って、そのまま信じてしまう人が結構いるわけです。
それでいて、テキトーなことを言うから・・・
私。この人が発信源と思われる話を、複数の人から同じ内容で聞いたことがありますからね(笑)
管釣りによく行っていた頃は、なるほどなぁと思うテクニックとか参考にさせてもらったこともあるんだけど、どうも敵を作る言い方が好きですよね(笑)
あの年になったら、いまさら芸風は変えられないのかもしれませんが(笑)
話が逸れましたのでIMへ戻しますが、
IMの電子制御は恐らくマグネットブレーキの永久磁石の部分に電磁石を組み込んだものと思われます。
なので、基本的な原理としては、従来のマグネットブレーキと変わらないと思います。
そういう意味では、マグネットブレーキの特性であったり、ブレーキの掛けるタイミングであったり、というノウハウは既に持っているわけで、そのデータを基に電子制御に置き換えたと考えれば、最初からこの完成度であることも納得できるものなのかもしれません。
しかも、ブレーキ制御プログラムはアップデートが可能です。
更に高性能となる可能性があります、これはDCには真似が出来ない芸当です。
また、写真を見る限り、IMの機構はサイドプレート内に全て収まっているように見えます。
つまり、サイドプレートを変えるだけで、IMを後付けできる可能性があるということです。
可変式インダクトローターのスプールは電子制御の邪魔になると思われますので、実際にはスプールも変える必要があると思いますが、それにしても工具なしで簡単に交換できますので、実現したらなかなか面白い未来です。
さて、ここまで語ってIMに興味津々な私ですが、IM Zは買いません。
何故かというと、2つ理由がありまして
1つは、自分の用途にはデカすぎる番手であること
そして もう1つは、ベイトリールを年に数回しか使わないのに、お値段がリミットブレイク(笑)していること
ですね。
5~6万円くらいの小型リール。
恐らく ZILLION IM TW みたいな感じになるのではないかと思いますが、この辺りのグレードに降りてきたら購入してみたいと思います。
あと、2~3年くらいで来るかな?
来ると良いですね。
楽しみです。